陣痛から分娩、退院まで

出産前から先輩ママたちから話はいろいろと聞いていたが、みんな軒並みのスーパー安産経験者だったため、陣痛に関しての予備知識が少なかったと思う。

実際経験した陣痛は、とんでもない。

間違いなく、生きてきた中で一番痛い。

受け堪える姿勢によっては、痛みがお腹に来たり、腰に来たり、両方に来たりと変化する。

お腹に来る痛みは、生理痛と下痢の痛みのマックス。その、さらに上。

腰に来る痛みは、万力で腰を締められた上、ハンマーで殴られてる感じ。

両方に来る痛みは、まさに地獄。

その陣痛のさらに上を行くのが、いきみ逃し。

いきみたいのに、いきんじゃダメだなんて、殺生な。

もうナースコールを連打するしかない。

もう我慢できなくていきんじゃってたけど「それでいいの、上手上手」なんて言われ、なにがなんだかわからなくなる。

おしっこを頻繁にするように促されるが、おしっこをすると腰の痛みでトイレから立てなくなり、毎回トイレから救出される。

ようやく子宮口も全開になり、いきみ許可が出るも、ついさっきまであった怒涛の陣痛が不思議となくなる。

曖昧な痛みと共に、思いっきりいきむ。

まったく痛くないので、いたって冷静でいられる。

むしろ、ちょっと眠い。

何度かいきんだところで、頭が出てきて、それからはあっという間。

股に温かい感触があり、元気な泣き声と共に、赤ちゃんが誕生。

すぐにカンガルーケアでお腹の上に。

想像以上に大きい。お顔は4Dエコーで見ていたまんま。

可愛い声で元気に泣く。

感動に浸りたいけど、後産あり、会陰切開の縫合ありで、その痛みで現実に戻される。

この日は出産ラッシュで、ゆっくりする間もなく部屋の移動。

入院中は、個室を選択。

入院費は高く付くけど、個室にして本当に良かったと思う。

なんせ、会陰切開の傷が痛くて、寝返りすら出来ない。

そんな中、投入される赤子(母子同室)。

瀕死状態の母親に今後のヘビースケジュールを説明する助産師さんが鬼に見える。

まさに育児は休みなし。

赤ちゃんの世話はもとより、自分の体の世話すら出来ない。

便秘になるし、悪露で貧血、そして寝不足。

もとの体に本当に戻るのか、不安でしょうがない。

そんな中、赤ちゃんの黄疸の数値が悪く、GCUに入院。

不安で泣く。一人は寂しい。

2日後に無事戻って来たけど、それはそれで大慌て。

GCUで哺乳瓶に慣れたのか、直母を飲まない。

退院まで続く直母練習。

この直母問題が退院後も頭を悩ませることになる。

退院前日、切開部分の抜糸をしたら、嘘のように痛みがなくなる。

それにより排便も可能に(これが嬉しかった)。

こうやって怒涛の入院生活が過ぎていく。