採卵
採卵日までの診察は1日おきにあったので、その都度仕事を休んだ。
でも、そのお陰で、おじいちゃん猫を看取ることが出来た。
おじいちゃんは最後まで頑張っていた。
私も見習わなければならない。
おじいちゃんを送り出した次の日が採卵日だった。
不思議と恐怖心はなかった。
全身麻酔の点滴が入ってきた瞬間は、なんとも不思議な感覚だった。
処置中は普通に夢を見ていたと思う。
内容までは覚えていない。
処置の終盤に「痛い!」と叫んだことはうっすら覚えている。
気付いたら、看護師さんに支えられてベットに寝かされるところだった。
朦朧とした頭で、スマホをバックから取り出して旦那にラインをしたけど、まったく文章になってなかった。
そこからしばし寝た。
が、すぐ目が覚めてしまった。
私の次に処置を受けた人は、隣のベットで気持ち良さそうに寝ていた。